便利な磁石付きアクセサリーはスマートフォンの利用を快適にしますが、電子デバイスに与える影響についての心配もあります。
磁石が電子機器に悪影響を与えることや、使用しているスマホが故障するリスクについて、この記事で解説します。
スマホへの磁石の近接は安全?
全体的に見て、磁石は特定の機能に影響を与えることがあります。
以下は、磁石の影響を受ける可能性があるスマートフォンの機能と、影響の有無を表にまとめたものです。
機能 | 磁石の影響 |
---|---|
GPS機能 | 影響なし |
手振れ補正 | 影響あり |
ピント調節 | 影響あり |
電子コンパス | 影響あり |
この表を参考に、スマートフォンを使用する際の磁石の取り扱いに注意してください。
カメラ機能への具体的な影響は以下の通りです。
カメラ機能 | 磁石の影響 |
---|---|
手振れ補正 | 影響あり |
ピント調節 | 影響あり |
これらの機能が一時的に利用できなくなることはありますが、カメラ自体が故障するわけではありません。補正機能は使えない可能性がありますが、写真の撮影は可能です。
特に重要な写真を撮影する際は、磁石の使用を控えることをお勧めします。
iPhoneに関しては、Appleの公式サポートからもカメラ機能への影響についての情報が提供されています。
レンズ位置のセンサーは磁場に反応します。これらのセンサーに磁石を近付けると、磁場がセンサーに干渉し、一時的にセンサーが無効になる場合があります。そのせいでセンサーの精度が低下し、レンズの可動範囲が制限されることがあります。その場合でも、カメラでほかの補正機能を使って写真を撮影できますが、OIS やクローズドループ AF の効果は得られません。
マップやナビゲーション、GPSへの影響
マップやナビゲーションを利用する際のGPSは、衛星からの信号を基に正確な位置情報を提供するため、磁石の影響を受けません。しかし、電子コンパスは磁気の影響を受けやすく、方位が誤って表示される可能性があります。
GPS機能と方位について
・GPSを使ったマップやナビゲーションには影響なし
・方位表示には影響あり(実際の方向と異なることがある)
登山など方位が重要な活動を行う際には、磁石付きアクセサリーの使用を避け、方位が狂った場合の対処法を試すことが重要です
電子コンパスと磁石の影響
電子コンパスが示す方向が磁石の影響で誤って表示されることがあります。
この問題は特に、マグネットが内蔵されたスマートフォンケースを使用している際に顕著です。
マグネットが内蔵されたスマートフォンケースを外したら解決したようですよ
磁気に強い電子コンパスの例
一部の電子コンパスは磁気の影響を受けにくく設計されています。
旭化成エレクトロニクスが開発した電子コンパスは、磁気干渉に強い特性があり、磁気の影響を自動で検出し補正する機能を備えています。
この機能により、方位が正確に修正され、マップ上で正しい方向が表示されます。
これにより、誤って反対方向に進むことを防ぐことができます。
ただし、外見だけではどのメーカーの電子コンパスが使用されているかは分かりません。
磁石を含むアクセサリーの使用に不安がある場合は、それらの使用を避けることをお勧めします。
電子コンパスの誤動作時の対処法
電子コンパスが誤っている場合、キャリブレーションを行うことで簡単に修正が可能です。
キャリブレーションの方法は非常にシンプルで、スマートフォンを手に持ち、手首を捻る動作で「∞」の形を描きます。
スマートフォンよりも磁石の影響を受けやすいのはカード類です。
特にクレジットカード、交通系ICカード、キーカード、ポイントカード、駐車券などが該当します。
これらに使われている磁気ストライプは磁石の近くにあると、読み取りエラーが生じる可能性があります。
磁気ストライプカードへの影響
クレジットカードや銀行カード、会員カード、駐車券など、磁気ストライプが使用されているカードは多いです。カードの裏面にある黒または銀色の帯がそれで、一部には外からは見えないタイプもあります。
強力な磁石だけでなく、バッグや財布のマグネットからも注意が必要です。
特にスマートフォン背面にカードを収納するケース、車載マグネットホルダー、ワイヤレス充電器などがリスクを持ちます。
手帳型スマホケースやスマホリングに磁石が使用されている場合も、磁気ストライプのカードは避けた方が無難です。
ICカードの耐久性
ICカードは、磁気の影響を受けずに機能します。
これはICカードが磁気ではなく電波を使って情報を読み取るからです。
接触型のICカードは表面に金色のチップが埋め込まれており、電極に接触して情報が読み取られます。
非接触型はアンテナコイルを内蔵し、電波で情報のやり取りを行います。
ただし、スマホケースに磁石が使用されていると、駅の改札で読み取りエラーが発生することがあります。
これは、読み取り機がカードに電力を供給する際に磁石が干渉するためです。
カードの再発行には時間と手間がかかるため、予防策を講じてこれらのカードを磁石から守ることが重要です。
磁気対策の必要性と対策方法
スマートフォンは磁気の影響で一時的に機能不全を起こすことがありますが、カード類は最悪の場合、交換が必要になることもあります。
特に、定期券をスマートフォンに入れて持ち歩きたい場合など、磁石とカードを一緒に持つ必要があるときがあります。
磁気干渉を防ぐためのアイテム
磁気干渉からカードを守るためには、磁気防止シートやICカードセパレーターを活用することが有効です。
磁気防止シートの活用方法
スマートフォンと交通系ICカードを一緒に使用する際には、磁気干渉防止シートを1〜2枚挟むことで改札でのエラーを防げます。
このシートは、100円ショップでも手に入れることができ、オンラインショップでは少し割高になることもあります。
使用時には、スマートフォンとカードの間にシートを挟んで、改札機に通常通りかざしてください。
ただし、カードとシートがずれないように注意が必要です。
カードとシートがずれたら意味がなくなるので注意してくださいね
ICカードセパレーターのおすすめ
交通系ICカードと社員証などを一緒に使う場合にはICセパレーターが推奨されます。
このアイテムは、複数のカードが互いに干渉しないように分け、読み取り機が目的のカードだけを読み取ることを可能にします。
使用方法は、カード2枚の間にセパレーターを挟み、読み取り機側に向けるカードを選んでかざします。この際、数センチメートル離すとエラーが少なくなります。
ICセパレーターの種類によっては使えないカードの組み合わせがあります。
購入前にしっかり商品説明を確認ましょう!
磁気対策商品の選び方
磁気防止シートとICカードセパレーターはどちらも干渉を防ぐ目的で設計されていますが、どの対象に対して効果を発揮するかによって選ぶべき商品が異なります。
個人的には、あらゆるカードの組み合わせに対応できるICセパレーターがより信頼性が高いと考えます。
価格とエラーの発生頻度を考慮した比較表を参考にしてください。
以下の表は、磁気防止シートとICセパレーターの使用可能性と価格についての情報をまとめたものです。
組み合わせ | 磁気防止シートの適用性 | ICセパレーターの適用性 |
---|---|---|
スマホ+交通系ICカード | 使用可能 | 使用可能 |
2枚の交通系ICカード | 不適切 | 使用可能 |
交通系ICカード+社員証 | 不適切 | 使用可能 |
価格
- 磁気防止シート: 安価(数百円)
- ICセパレーター: やや高価(数百〜数千円)
この表を参考に、各状況に応じて適切な磁気対策グッズを選択してください。
磁気の影響についてのまとめ
この記事でスマートフォンやその周辺機器への磁気の影響について解説しました。
スマートフォンに対する影響は比較的限定的ですが、重要な使用シーンでは磁気を避けることが望ましいです。
たとえば、登山時に電子コンパスを使用する場合や、大切な写真を撮影する時などがそれに該当します。
カード類については、磁気の影響で読み取りエラーが起こる可能性があるため、基本的には磁気から離して保管することが推奨されます。
スマートフォンケースにマグネットが組み込まれており、その使用に不安を感じる場合は、磁気対策グッズを活用することで問題を回避できます。